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低GI食品と血糖値から考える在宅高齢者に必要な健康維持のための食事のポイント

在宅高齢者の健康維持で必要なポイント、食事。
近年、健康志向の高まりとともに注目を集めているのが『低GI食品』です。
厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、男性26.4%と女性19.6%が「糖尿病が強く疑われる者」という結果になっており、改めて食事を大切にする必要性を感じます。
今回は、在宅高齢者に必要な低GI食のメリットや、実際の食事例について解説します。

低GI食品とは?

低いGI食は、食後の血糖値の上昇を抑える食品のことを指します。GIとは「グリセミック・インデックス(Glycemic Index)」の略で、食品が体内でどれだけ速く血糖値を上げるかを数値化したものです。この数値が低い食品を「低GI食品」と呼びます。

GI値とは?

GI値は0~100の数値で表されます。GI値が高い食品は消化・吸収が速く、血糖値が急激に上がりやすく、GI値が低い食品は緩やかに血糖値を上昇させます。例えば、白パンや砂糖などはGI値が高く、血糖値を急上昇させるのに対し、全粒粉パンや野菜など食物繊維が含まれている食品はGI値が低いです。

高齢者と低GI食の関係

お歳を重ねると、以下のような健康課題に直面しやすくなります

  • 血糖値の管理が難しくなる(糖尿病予防・改善が必要)
  • 筋力低下や体力低下(たんぱく質不足や栄養バランスの乱れ)
  • 便秘や消化不良(腸内環境の悪化)

これらの課題に対し、低GI食品には次のような効果が期待されます。

  1. 血糖値を安定させる急激な血糖値の上昇を抑えることで、インスリンの分泌を緩やかにし、糖尿病や体の疲労感を予防する。
  2. 持続的なエネルギー供給血糖値が緩やかに上がることで、空腹感を感じにくく、食事間のおやつの摂取を減らすことができる。
  3. 低GI食品の多くは、腸内環境を整える食物繊維を多く含みます。便秘改善にも効果的です。

在宅高齢者向けの低GI食のポイント

  1. 主食は「精製されたもの」から「全粒のもの」に切り替える
    • 玄米や雑穀米を白米の代わりに使用する。
    • うどんよりも、そば(十割そば)を選ぶ。
    • パンは全粒粉パンやライ麦パンを選択する。
  2. たんぱく質を意識的に摂取
    筋力維持のため、魚や豆腐、卵、チーズなど、消化吸収が良く低GIのたんぱく質を積極的に取り入れる。
  3. 野菜や果物を積極的に取り入れる
    食物繊維を多く含むブロッコリーやほうれん草、りんごやベリー類は、GI値が低く高齢者に適しています。
  4. おやつも低GIに工夫
    低GIのおやつとして、以下がおすすめです
    • 無糖ヨーグルトにベリー類をトッピング
    • ナッツ類(塩分控えめのもの)
    • 蒸したサツマイモ

実際の低GI食メニュー例

  1. 朝食
    • 全粒粉パン(または玄米おにぎり)
    • ゆで卵
    • 無糖ヨーグルト+ブルーベリー
  2. 昼食
    • 十割そばの冷やしそば+ほうれん草のお浸し
    • サバの塩焼き
    • サラダ(ブロッコリー、トマト、オリーブオイルドレッシング)
  3. 夕食
    • 雑穀ご飯
    • 鶏むね肉のグリル+蒸し野菜(ブロッコリー、ニンジン)
    • 味噌汁(豆腐、わかめ)
    • おやつ(茹でたサツマイモ、りんごスライス)

玄米や野菜などの硬い食材は、柔らかく調理して摂取しやすい形にすることが大切です。また、GI値が低くても摂りすぎは禁物です。1回の食事量を適切にし、体に負担をかけないようにしましょう。

まとめ

今回は在宅高齢者に向けた記事を書きましたが、低GI食品は高齢者だけではなく、全ての年代(成長期の子どもは除く)の方にとって健康を守る強い味方です。血糖値の安定や便秘改善、体力・筋力維持をサポートし、生活習慣病のリスクも軽減します。食べる楽しみを大切にしながら、低GI食を日常の食事に取り入れることで、健やかで快適な生活を送りましょう。

参考

以下に、一般的な食品のGI値をいくつかカテゴリーごとにまとめました。普段食べている食材のGI値の確認や低GI食品を選ぶ際にご活用ください。

GI値の目安は以下の通りです。

  • 低GI:55以下
  • 中GI:56~69
  • 高GI:70以上

穀物・パン類

  • 白米:83(高GI)
  • 玄米:55(低GI)
  • 全粒粉パン:50(低GI)
  • 白パン:95(高GI)
  • オートミール:55(低GI)

野菜類

  • ジャガイモ(蒸したもの):78(高GI)
  • サツマイモ:63(中GI)
  • ブロッコリー:25(低GI)
  • トマト:30(低GI)

果物類

  • バナナ(熟したもの):62(中GI)
  • りんご:36(低GI)
  • ベリー類(イチゴ・ブルーベリーなど):35〜40(低GI)
  • オレンジ:40(低GI)
  • スイカ:76(高GI)

乳製品・豆類

  • 牛乳(低脂肪):30(低GI)
  • 無糖ヨーグルト:35(低GI)
  • レンズ豆:32(低GI)
  • 豆腐:30(低GI)
  • チーズ33(低GI)

スナック・甘味類

  • ポテトチップス:75(高GI)
  • ダークチョコレート(70%以上カカオ):25~30(低GI)

麺類

  • うどん(茹で):85(高GI)
  • そうめん:80(高GI)
  • パスタ(アルデンテに茹でた場合):45(低GI)
  • パスタ(柔らかく茹でた場合):55(低GI~中GI)
  • そば(十割そば):54(低GI)
  • そば(小麦粉を多く含むもの):59(中GI)
  • 中華麺(茹でたもの):60~70(中GI)
大田ケア 訪問看護ステーション

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